相続税の計算方法
1 相続税の計算方法
相続税は、①課税対象となる相続財産の金額の計算、②相続税額の計算、③相続人ごとの相続税額の計算という流れで行われます。
以降で、順番に説明いたします。
2 課税対象となる相続財産の金額の計算
⑴ 財産の洗い出し
まず、亡くなった方(被相続人)にどのような財産があったのかを洗い出す必要があります。
自宅から通帳やキャッシュカード等が見つかれば、どこの銀行に口座を持っているかが分かりますし、名寄帳や固定資産税台帳などから持っている不動産を探すことができます。
また、通帳の履歴から、株式を持っていないか、加入している生命保険はないか、マイナスの財産として借金等はないかなどが分かることがあります。
⑵ 財産の評価
被相続人の財産について、相続財産としての金額を評価します。
現金・預貯金は、そのままの金額が評価額となりますが、不動産(特に土地)や、株(特に非上場の会社の株)については、複雑な計算が必要になることもあります。
⑶ 非課税金額、控除できる金額の計算
生命保険や死亡退職金については、【500万円×法定相続人の数】の金額までは非課税とされています。
また、被相続人の債務(借金、未払の税金、光熱費、医療費等)や、葬儀費用についても、相続財産から控除することができます。
⑷ 基礎控除額の計算
【3000万円+600万円×法定相続人の数】という計算式から、基礎控除額を算出します。
⑸ 課税財産の計算
このようにして、相続財産から非課税金額及び債務や葬儀費用などの控除できる金額を引き、さらに基礎控除額を引いた残りの額に対して、相続税が課されます。
3 相続税額の計算
相続人ごとの相続税額を計算する前に、まずは法定相続分で相続したと仮定して、相続税額の総額を計算します。
相続税額の計算は、【課税財産総額×法定相続分×税率-控除額】で計算します。
税率・控除額については、法務局のホームページをご確認ください。
参考リンク:国税庁・相続税の税率
これを相続人全員について計算し、それを全て足し合わせた金額が、相続税額となります。
4 相続人ごとの相続税額の計算
上記の3で計算した相続税額を、実際に相続した金額で按分し、相続人ごとの相続税額を計算します。