「法定相続情報証明制度」について

文責:弁護士 岡﨑伸哉

作成日:2023年11月27日

1 はじめに

 『平成29年5月29日(月)から,全国の登記所(法務局)において,各種相続手続に利用することができる「法定相続情報証明制度」が始まりました。』(法務局HP

 

 昨今、家庭裁判所などに遺産分割調停等を申し立てる場合でも、戸籍を提出するのではなく、できるだけ「法定相続情報証明制度」を利用するようにと裁判所から連絡を受けることがあります。金融機関からも戸籍ではなく「法定相続情報証明制度」を利用して欲しい旨述べられることが増えてきました。

 そこで、今後は「法定相続情報証明制度」の利用がますます推進されていくことから、同制度の概略についてご紹介をさせていただきます。

2 「法定相続情報証明制度」利用の流れ

● 相続人(申出人)が管轄の法務局に書類を提出します。

  <管轄の法務局(登記所)>

  以下の地を管轄する登記所のいずれかを選択【管轄の法務局一覧】。

  ① 被相続人の本籍地 ② 被相続人の最後の住所地 ③ 申出人の住所地 ④ 被相続人名義の不動産の所在

 

 <提出書類>(法務局HPを参考にしています。)

  ①被相続人(亡くなられた方)の戸除籍謄本

   出生から亡くなられるまでの連続した戸籍謄本及び除籍謄本

  ② 被相続人(亡くなられた方)の住民票の除票

  ③ 相続人の戸籍謄抄本 相続人全員の現在の戸籍謄本又は抄本

    (被相続人が死亡した日以後の証明日のものが必要。)

    ④ 申出人(相続人の代表となって手続を進める方)の氏名・住所を確認することができる公的書類 (運転免許証表裏のコピー、マイナンバーカード表面のコピーなど)

  ※ 上記①―④以外にも、住所を載せる場合には、住民票の写しが必要となります。

  ⑤ 「法定相続情報一覧図」の作成 

  ⑥ 申出書の作成

 

  基本的には、以上の①―⑥を揃えて、管轄の登記所に提出をし、各手続機関に必要な枚数の「法定相続情報一覧図」(写し)の交付を受けることになります。

3 その他

● 提出した戸籍等の原本は返却されます。

 

● 登記所に支払う手数料は、無料です。

 

● 数次相続(相続が発生して遺産分割協議等が終わらないうちに相続人が亡くなり次の相続が発生)の場合には、最初の相続の「法定相続情報一覧図」と次の相続の「法定相続情報一覧図」を別々に作ることになります。

4 さいごに

 遺産分割協議において、相続登記の義務化とともに「法定相続情報一覧図」の作成も重要な手続きとなってきています。

 「法定相続情報一覧図」の作成も簡単なようにみえて、戸籍の収集、一覧図の作成等煩雑な事務手続きが生じることがあります。

 そこで、「法定相続情報一覧図」の作成についても相続案件にも慣れた弁護士にご相談をされることをオススメいたします。

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(目次)

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